北九州響灘洋上ウインドファームが営業運転開始、国内最大の洋上風力発電所が本格稼働
福岡県北九州市若松区沖の響灘で、国内最大の洋上風力発電所「北九州響灘洋上ウインドファーム」が3月2日に営業運転を開始しました。
これは、日本の洋上風力発電の拡大にとって大きな節目となる出来事です。
今後の再生可能エネルギー政策や地域産業への波及効果も注目されます。
総出力22万キロワット、国内洋上風力の約4割を占める規模
北九州響灘洋上ウインドファームは、出力9,600キロワットの大型風車25基を備えています。
最大出力は22万キロワットです。
稼働中の洋上風力発電所としては国内最大規模であり、国内洋上風力の総出力の約4割を占めます。
事業会社のひびきウインドエナジーは、愛称を「Wind KitaQ 25(ウインド キタキュウ ニジュウゴ)」と発表しました。
つまり、このプロジェクトは日本の洋上風力発電の中心的存在となります。
総事業費1700億円、20年間で3600億円の売電収入を見込む
この北九州響灘洋上ウインドファームは、ひびきウインドエナジーが建設しました。
同社には、九電みらいエナジー、電源開発(Jパワー)、北拓、西部瓦斯、クラフティアの5社が出資しています。
総事業費は約1700億円です。
北九州市は2016年に公募を実施しました。
2017年に事業者を選定しました。
そして2023年3月に着工しました。
発電方式は、風車の土台を海底に固定する着床式を採用しました。
着床式とは、海底に基礎を固定する方式です。
水深が比較的浅い海域に適しています。
風車はデンマークのVestas製を設置しました。
年間発電量は約5億キロワット時を見込みます。
これは北九州市の世帯数の約4割にあたる、一般家庭17万世帯分の電力を賄える規模です。
発電した電気は、固定価格買取制度(FIT)に基づき九州電力送配電へ売電します。
FITとは、再生可能エネルギーで発電した電力を一定価格で買い取る制度です。
売電期間は20年間です。
その結果、約3600億円の収入を見込むと事業会社は試算しています。
国内サプライチェーン構築と技術蓄積
九電みらいエナジーは、足元の事業環境が厳しいと説明しました。
しかし今回の事業で得たノウハウは大きな強みになるとコメントしました。
つまり、この北九州響灘洋上ウインドファームは次の展開への足がかりです。
建設では、五洋建設と鹿島建設などが共同出資するPKYマリンの大型SEP船が初めて稼働しました。
SEP船とは、海上で船体を固定しながら大型設備を設置できる専用作業船です。
さらに国内サプライチェーンの構築も進みました。
サプライチェーンとは、部材調達から施工までの供給体制のことです。
こうした中、国内での洋上風力発電の体制整備が進んでいます。
北九州市、浮体式拠点化へ次の段階へ
北九州市は今後、西地区で浮体式洋上風力の総合拠点づくりを進めます。
浮体式とは、海底に固定せず浮体構造物に風車を設置する方式です。
水深が深い海域でも設置できます。
2030年度末の稼働を目指しています。
さらに2025年10月には、響灘ウインドファーム西側海域が再エネ海域利用法に基づく有望区域に格上げされました。
福岡県は最大出力51万キロワットを想定しています。
法定協議会の設置準備も進めています。
武内和久・北九州市長は、本格運転開始を大きなステップアップと位置付けました。
そして東アジアのマーケット創出を目指すと述べました。
さらに洋上風力発電の総合拠点化を進めると意気込みを語りました。
日本の洋上風力発電にとっての意味
今回の北九州響灘洋上ウインドファームの営業運転開始は、日本の洋上風力発電にとって象徴的な出来事です。
一方で、事業環境は依然として厳しい状況にあります。
そのため、コスト低減や国内供給網の強化が今後の課題となります。
しかし、今回の実績は次の大型案件への重要な布石になります。
つまり、日本の洋上風力発電は量的拡大から質的強化の段階へ入りました。
北九州響灘洋上ウインドファームは、その中心的存在として今後も注目されます。
ソース
読売新聞オンライン
PR TIMES
FNNプライムオンライン
Mott MacDonald 関連資料
事業会社発表情報

