赤沢経産相、米関税15%引き上げから日本除外を要請 日米首脳会談に向け交渉本格化
日本政府は、米国が計画する追加関税の引き上げについて、日本を対象から外すよう正式に要請しました。
赤沢亮正経済産業相は2026年3月6日、ワシントンで米商務長官と約2時間にわたり会談し、日本除外を求めました。
今回の問題は、トランプ政権が検討している追加関税10%から15%への引き上げです。
日本政府は、この措置が昨年の日米合意より不利にならないよう求めています。
さらに今回の会談では、対米投資の拡大やエネルギー協力についても協議が行われました。
こうした交渉は、3月19日に予定される日米首脳会談に向けた重要な調整と位置付けられています。
日本除外を求めたワシントンでの閣僚会談
赤沢経済産業相は、訪問先のワシントンでラトニック米商務長官と会談しました。
会談はおよそ2時間に及び、関税問題が主要議題となりました。
赤沢氏は会談後の記者会見で次のように説明しました。
「15%への引き上げに日本を含めないよう要請した」
また、日本の扱いについて次の点も強調しました。
「昨年の日米合意より不利にならないよう申し入れた」
ただし、米国側の具体的な反応については明らかにしていません。
つまり、日本の除外が認められるかどうかは現時点では不透明です。
トランプ政権の関税政策と最高裁判決
今回の関税問題の背景には、米国の司法判断があります。
トランプ政権は2025年、各国との貿易不均衡を理由に「相互関税」制度を導入しました。
しかし、米連邦最高裁は2026年2月20日にこの制度を違憲と判断しました。
この判決を受け、政権は別の法律を使って関税政策を維持しました。
具体的には通商法122条を根拠に、新たな措置を発動しました。
この法律は、国際収支の緊急措置として輸入制限を可能にする制度です。
そのため米政府は、2026年2月24日から以下の措置を実施しました。
すべての輸入品に一律10%の追加関税(150日間の時限措置)
さらにトランプ大統領は、これを15%へ引き上げる可能性を示しました。
ベッセント財務長官も、引き上げが近いとの見通しを示しています。
日米合意との関係と日本製品への影響
今回の問題は、既存の日米合意との関係でも注目されています。
2025年の日米合意では、日本からの輸入品について次の内容が決まりました。
日本製品(自動車を含む)の関税を15%に設定
その見返りとして、日本側は以下を約束しました。
約5500億ドル(約84兆円)の対米投資
しかし、今回の10%一律関税は別の法的根拠で導入されています。
そのため、既存の関税に上乗せされると次の問題が起きます。
一部の日本製品の関税負担がさらに増える可能性
つまり、日本政府が強く懸念しているのは
「二重の関税負担」です。
対米投資84兆円の第2弾も議題に
今回の会談では、関税だけでなく経済協力の拡大も話し合われました。
関係者によると、協議の中で次のテーマが検討されています。
対米投資84兆円計画の「第2弾」
候補として浮上しているのが
次世代型原子炉の建設プロジェクト
です。
また、最近緊張が高まる中東情勢も議題に上りました。
特に、イラン情勢を受けたエネルギー安全保障について意見交換が行われました。
米商務省の発表と日米経済連携
米商務省はSNSを通じて会談内容を発表しました。
その中で次のように説明しています。
「日米の経済連携の強化について協議した」
さらに、先月決定した対米投資について次の姿勢を示しました。
「さらなる協力関係を構築する決意を再確認した」
つまり、関税問題がある一方で
日米の経済協力は拡大方向にあるという姿勢です。
3月19日の日米首脳会談に向けた最終調整
赤沢経産相は会見で、今後の外交日程にも言及しました。
3月19日には高市早苗首相とトランプ大統領の首脳会談が予定されています。
赤沢氏は次のように述べました。
「高市総理の訪米の機会を、日米が経済面において特別なパートナーであると世界に知らしめる実りあるものにする」
そのため、日本政府は米国と
閣僚レベルでの詰めの協議
を続けています。
つまり今回の関税問題は、
首脳会談の重要な交渉テーマになる可能性があります。
今後の焦点
今回の交渉で注目されるポイントは主に3つです。
1
日本が関税引き上げの対象から除外されるか
2
日米合意の関税枠組みが維持されるか
3
84兆円対米投資の第2弾が具体化するか
特に、日本の輸出産業にとっては
関税負担の行方が大きな影響を与える可能性があります。
こうした中、3月19日の首脳会談が
日米経済関係の新たな方向性を決める重要な節目となる見通しです。
ソース
ロイター通信
米商務省発表
日米政府関係者説明

