政府が物流効率化法改正案を閣議決定 トラック中継輸送拠点を全国20カ所整備へ

トラック中継輸送拠点整備へ 政府が物流効率化法改正案を閣議決定

政府は2026年3月6日、トラック輸送の効率化とドライバーの労働環境改善を目的とした物流効率化法改正案を閣議決定しました。

今回の改正案の中心は、長距離輸送の途中で荷物を別のドライバーに引き継ぐ「中継輸送」拠点の整備支援です。

日本では物流を支えるトラックドライバーの不足が深刻化しています。
そのため政府は、2030年度までに全国20カ所の中継輸送拠点を認定する方針を示しました。

こうした制度は、長距離輸送に伴う車中泊や長時間労働の問題を改善し、物流の持続性を高める政策として注目されています。

日本物流を支えるトラック業界の課題

日本の物流の大部分はトラック輸送が担っています。
しかし近年、ドライバー不足と長時間労働が大きな社会問題となっています。

特に長距離輸送では、運転手が数百キロ以上を走行するケースも多く、車中泊を伴う勤務が一般的です。

一方で2024年には、働き方改革関連法の影響でトラックドライバーの時間外労働に上限規制が導入されました。

そのため、輸送能力が低下する「物流の2024年問題」が懸念されています。

こうした中、政府は物流効率化と労働環境改善の両立を目的に、中継輸送という新しい輸送モデルの普及を進めようとしています。

改正案の柱「中継輸送拠点認定制度」

今回の物流効率化法改正案では、新たな認定制度の創設が柱となります。

トラック事業者、荷主企業、倉庫業者、物流不動産開発会社などが共同で、
「貨物自動車中継輸送実施計画」を作成します。

そしてこの計画を国土交通大臣が認定する仕組みを導入します。

認定を受けた拠点には、税制優遇や補助制度などの支援策が適用されます。

つまり、政府が物流拠点整備を後押しすることで、民間投資を呼び込み、全国的な中継輸送ネットワークを構築する狙いです。

税制優遇と財政支援の内容

認定された中継輸送拠点には、複数の支援策が用意されます。

まず税制面では、拠点の建物に対する固定資産税と都市計画税が5年間軽減されます。

具体的には以下の通りです。

  • 建物の固定資産税・都市計画税:5年間、課税標準を2分の1に軽減
  • 償却資産:5年間、課税標準を4分の3に軽減

また税制優遇だけではありません。

鉄道・運輸機構による出資や貸し付けも可能になります。

さらに、

  • 計画策定費用
  • 初年度の運行経費

などについても補助制度が設けられます。

そのため企業側の初期負担を抑えながら、物流拠点整備を促進する仕組みです。

中継輸送とは何か

中継輸送とは、長距離輸送を複数のドライバーで分担する仕組みです。

例えば関東から関西へ荷物を運ぶ場合、途中の拠点で別のドライバーに引き継ぎます。

これにより、各ドライバーは日帰り勤務が可能になります。

つまり長距離運転による過酷な勤務を減らし、働き方を改善することが目的です。

また拠点には次の設備が必要になります。

  • 大型トラック用駐車場
  • 荷物の積み替えスペース
  • ドライバー休憩施設
  • ダブル連結トラック対応設備
  • 自動運転トラック対応設備

こうした設備を整備することで、物流の効率化と安全性向上を同時に進めます。

政府の目標 2030年までに労働時間改善

国土交通省は、トラックドライバーの労働環境改善を重要課題と位置づけています。

政府は2030年までにドライバーの平均労働時間を全産業平均まで引き下げる目標を掲げています。

金子恭之国土交通大臣は2026年2月24日の記者会見で、次のように述べました。

「国民生活・経済活動を支える極めて重要なものだ」

つまり物流は社会インフラであり、持続可能な輸送体制の構築が不可欠という認識です。

法案成立後のスケジュール

物流効率化法改正案は、現在開会中の特別国会に提出される予定です。

国会で可決・成立した場合、2026年度中の施行が見込まれています。

施行後は、民間企業による拠点整備計画の募集が始まります。

そして政府は2030年度までに、全国20カ所の中継輸送拠点の認定を目指します。

物流の効率化、ドライバー不足対策、そして輸送の持続可能性。

これらを同時に解決する政策として、今回の制度は今後の日本物流政策の重要な柱となる可能性があります。

ソース

  • 産経新聞
  • 神戸新聞
  • Cargo News
  • LOGI-BIZ
  • Yahooニュース
  • 国土交通省関連発表
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