農林水産省は3月27日、全国のスーパー約1000店舗におけるコメの販売価格データを公表しました。
3月22日までの1週間の精米5キロあたり平均価格は3978円でした。
前週から2円下がりました。
価格の下落はこれで6週連続です。
また、2週連続で4000円の大台を下回りました。
スーパーのコメ平均価格の動きに、改めて注目が集まっています。
いま何が起きているのか
今回の公表で明らかになったのは、スーパーのコメ平均価格が下がり続けていることです。
つまり、店頭での米価は年明け以降、下落基調に入っています。
そのため、消費者だけでなく流通業者にも影響が広がっています。
一方で、下落幅そのものは前週比2円と小幅です。
しかし、6週連続下落という流れは軽く見られません。
実際に、スーパーのコメ平均価格は明確に方向転換しています。
「令和のコメ騒動」と呼ばれた高騰の経緯
「令和のコメ騒動」とは、米の価格高騰と品薄が続いた一連の状況を指す言葉です。
難しい表現を避ければ、米が足りない不安から価格が大きく上がった局面です。
こうした中、消費者の負担感は強まりました。
価格高騰は、2024年夏の品薄をきっかけに始まりました。
その後、2026年1月初旬には5キロ4416円の最高値を記録しました。
スーパーのコメ平均価格は、その時点で強い上昇局面にありました。
年明けから下落基調に転じた流れ
高騰が続いたあと、価格は年明けから下落基調に転じました。
そして今年に入り、徐々に値下がりが進んでいます。
今回の3978円という水準は、その流れを裏づける数字です。
つまり、スーパーのコメ平均価格は、最高値からみれば大きく下がっています。
しかし、一方で依然として家計への負担感は残っています。
値下がりが続いても、なお高値圏だと感じる人は少なくありません。
ブレンド米の安売りが値下がりをけん引
JAcomによると、今回の価格下落をけん引したのはブレンド米の安売りです。
ブレンド米とは、複数の米を混ぜて販売する米のことです。
価格調整がしやすい点が特徴です。
東北地方の取引関係者は、卸の仕入れ環境の変化を説明しています。
「卸は当初、玄米60キロあたり3万5000円強で仕入れたが、最近は2万円ちょっとで買える。以前高く買った米と最近安く買った米を混ぜることで、小売への卸価格を下げているのではないか」と指摘しました。
この見方は、スーパーのコメ平均価格の下落要因として注目されます。
卸売段階で何が起きているのか
ここでいう卸とは、小売店に商品を流す中間の事業者です。
また、玄米60キロあたりの価格は、流通の基準として使われやすい数字です。
そのため、この証言は価格形成の変化を示しています。
以前に高く買った米と、最近安く買った米を混ぜる。
そうすることで、小売向けの卸価格を下げやすくなります。
つまり、スーパーのコメ平均価格の下落は、流通段階での調整とも結びついています。
別の販売データでも下落が続く
価格の下落傾向は、農水省のデータだけではありません。
ホームセンターなど約6000店舗の平均価格も、前週より21円安い3970円でした。
さらに、別のスーパー約1200店舗では6円安い3876円でした。
3つのデータすべてで下落が続いています。
そのため、特定の調査だけが示した動きではないといえます。
実際に、スーパーのコメ平均価格をめぐる下落は広い範囲で確認されています。
価格下落の背景にある2025年産米の増産
価格下落の背景には、2025年産米の大幅な増産があります。
生産量は前年比約69万トン増の748万トンに達しました。
この増産が市場の空気を変えました。
米の生産量が増えると、民間在庫も増えやすくなります。
民間在庫とは、民間事業者が保有する米の在庫です。
一方で、需要が伸びなければ価格には下押し圧力がかかります。
民間在庫の急増が重荷に
民間在庫が急増したことも、価格下落の大きな要因です。
在庫が増えすぎると、保管コストや資金負担が重くなります。
そのため、流通業者は早めの処分を急ぎやすくなります。
年度末の決算対策や融資返済も重なっています。
こうした中、在庫を抱えること自体が経営上の負担になります。
スーパーのコメ平均価格は、こうした事情の影響も受けています。
「損切り」による在庫処分が加速
本文でいう「損切り」とは、仕入れ値を下回っても在庫を処分する動きです。
要するに、損失を確定させても売り切る判断です。
これは、さらに大きな損失を避けるための対応でもあります。
流通業者が仕入れ値を下回る価格で在庫を処分する動きが加速しています。
つまり、価格を維持するよりも在庫整理を優先する局面に入っています。
この流れも、スーパーのコメ平均価格を押し下げています。
需要側では「買い控え」が定着
一方で、問題は供給だけではありません。
需要の面でも、価格を押し下げる要因が出ています。
それが買い控えです。
買い控えとは、値上がりや先行き不安を受けて消費者が購入を控える動きです。
価格が高かった時期に、この行動が広がりました。
そして、その傾向がいまも残っています。
精米消費量は12カ月連続で前年同月割れ
米穀安定供給確保支援機構が3月25日に公表した調査では、1人あたりの精米消費量が12カ月連続で前年同月を下回りました。
これは、米の消費が1年にわたって弱かったことを示します。
実際に、需要の鈍さが続いています。
さらに、家庭内消費は前年同月比マイナス3.7%でした。
そのため、家庭での購入や消費も落ち込んでいる実態が見えてきます。
スーパーのコメ平均価格の下落は、こうした需要減とも重なっています。
高騰期の行動変化がそのまま残った
価格が高騰した時期、消費者は米の買い方を慎重にしました。
量を減らす、安い商品に切り替える、購入頻度を抑える。
こうした行動が定着した形です。
つまり、価格が下がり始めても、需要がすぐには戻っていません。
しかし、供給は増えています。
この需給のずれが、スーパーのコメ平均価格に下落圧力をかけています。
農水省が示した在庫見通し
農水省が3月23日の食糧部会で示した見通しも重要です。
それによると、2027年6月末の民間在庫量は最大271万トンに達する可能性があります。
この数字は市場にとって重い意味を持ちます。
適正とされる民間在庫量は、180万〜200万トンです。
一方で、見通しの最大271万トンはその水準を大幅に上回ります。
そのため、供給過剰への警戒が強まっています。
適正在庫を大幅に超える可能性
在庫が適正水準を大きく超えると、価格は下がりやすくなります。
売り手が在庫整理を急ぐからです。
さらに、買い手は値下がりを見込んで慎重になりやすくなります。
こうした中、供給過剰と需要減退が同時に進んでいます。
つまり、価格を支える材料が乏しい状況です。
スーパーのコメ平均価格をめぐる先行きにも、弱含みの見方が広がります。
今後も下落圧力が続く見通し
本文では、今後も価格の下落圧力が続く見通しだとしています。
増産による供給の重さ。
そして、買い控えによる需要の弱さ。この二つが同時に存在するためです。
また、すでに複数の調査で価格下落が確認されています。
そのため、一時的な変動ではなく、基調の変化として受け止める必要があります。
スーパーのコメ平均価格は、しばらく神経質な推移が続きそうです。
家計と流通の双方に広がる影響
消費者にとっては、値下がりは負担軽減につながります。
しかし、一方で流通業者や在庫を抱える事業者には厳しい局面です。
価格が下がるほど、処分損や収益悪化の可能性が高まるためです。
つまり、同じ値下がりでも、見る立場で意味が異なります。
家計には追い風でも、流通には逆風となります。
スーパーのコメ平均価格の変動は、その両面を映しています。
コメ市場は需給の綱引きが続く
今回の数字は、単なる値下がりの話ではありません。
高騰から下落へ転じた流れのなかで、供給と需要の綱引きが鮮明になっています。
そのため、今後の米価を考えるうえでも重要な局面です。
スーパーのコメ平均価格は3978円となり、6週連続で下落しました。
しかし、背景には増産、在庫過剰、損切り、買い控え、需要減退が折り重なっています。
今後のコメ市場は、こうした複数の要因をにらみながら動くことになります。
ソース
農林水産省
JAcom(農業協同組合新聞)
米穀安定供給確保支援機構

