バンク・オブ・アメリカ、日銀利上げを4月前倒し予測 最終金利1.75%へ引き上げ

米大手金融機関のバンク・オブ・アメリカ証券(BofA)は、日本銀行(日銀)の利上げ時期についての予測を修正しました。これまで「6月」としていた利上げのタイミングを、4月へ前倒しする可能性が高いと発表したのです。

背景にあるのは、週末に行われた衆議院選挙での高市早苗首相率いる自民党の歴史的大勝です。政治的な不透明感が大きく後退したことで、日銀が「金融正常化」、つまり低金利政策からの本格的な脱却を加速できる環境が整ったとの見方が強まっています。

さらにBofAは、2027年末までの最終的な政策金利の水準についても、従来の1.5%から1.75%へ引き上げると予測を修正しました。これは、利上げペースが当初想定よりも速まることを意味しています。

利上げペースも加速へ 4〜5カ月ごとの引き上げ予想

BofAの最新レポートによると、今後の利上げスケジュールは以下のように想定されています。

・2026年4月
・2026年9月
・2027年1月
・2027年7月

それぞれ25ベーシスポイント(0.25%)ずつの利上げが行われると予測されています。

ここでいう「ベーシスポイント」とは、金利を表す単位で、1ベーシスポイント=0.01%です。つまり25ベーシスポイントは0.25%のことを指します。

これまでの想定は「6カ月ごと」でしたが、今回は「4〜5カ月ごと」へと加速した形です。日銀が物価上昇リスクや円安の影響をより重視していると分析されています。

高市氏の圧勝で政治的不透明感が後退

今回の予測修正の大きな理由は、高市政権の圧倒的な政治基盤です。

自民党は衆議院465議席のうち316議席を獲得し、単独で3分の2を超える絶対多数を確保しました。これは第二次世界大戦後で最大級の勝利です。

衆院で3分の2を超えると、参議院で否決された法案も再可決が可能になります。つまり、政権が政策を推進しやすい環境が整ったということです。

BofAのアナリストは、「この圧勝が、日本銀行のリスク評価をさらに後押しする」と指摘しています。特に、円安による輸入インフレのリスクに対して、日銀がより警戒的になっているとの見方を示しました。

日本株は史上最高値を更新

選挙結果を受けて、日本の株式市場も大きく動きました。

日経平均株価は初めて57,000円を突破し、TOPIX(東証株価指数)も過去最高値を更新しました。

さらに、財政拡大や減税政策への期待から、日経平均は2.28%上昇し、57,650円で取引を終えました。

市場は、「政治の安定」と「財政拡張」が短期的な景気押し上げにつながると評価していると考えられます。

財政拡大と金融引き締めの同時進行

現在、日銀の政策金利は0.75%です。これは1995年9月以来の高水準です。

BofAは、
・第1四半期の経済指標
・春闘(春季労使交渉)の賃上げ結果
・4月の価格改定

を踏まえ、4月に政策金利が1.0%へ引き上げられると予測しています。

一方で、高市首相は2024年度に向けて過去最大の122.3兆円の予算案を提案しています。さらに、食料品の消費税一時停止も掲げています。

つまり、

・政府は財政を拡大する(支出増・減税)
・日銀は金融を引き締める(利上げ)

という、財政拡大と金融引き締めが同時に進む可能性があるのです。

これは経済運営として非常にバランスの難しい局面です。

インフレと円相場の動き

BofAは、「基調的なインフレ率」が2%に近づきつつあり、景気の下振れリスクが後退していると分析しています。

基調的インフレ率とは、一時的な要因を除いた物価の持続的な上昇率のことです。これが安定的に2%に近づけば、日銀はより安心して利上げに踏み切れるとされています。

円相場も変化しています。対ドル160円水準まで下落していた円は、選挙後に持ち直しました。円高方向への動きは、輸入物価の抑制につながります。

加藤勝信財務相は、「必要に応じて市場と対応していく」と述べ、市場の安定維持に努める姿勢を示しています。

今後の焦点は4月決定会合

最大の注目点は、4月の日銀金融政策決定会合です。

もし利上げが実施されれば、金融政策の正常化は想定以上のスピードで進むことになります。

一方で、急速な利上げは、
・住宅ローン金利の上昇
・企業の資金調達コスト増
・国債利回りの上昇

などを通じて、経済に負担を与える可能性もあります。

政治の安定が金融政策を加速させるという、非常に興味深い構図が浮かび上がっています。

今後数カ月、日本経済は大きな転換点を迎えることになりそうです。

ソース

Al Jazeera
ABC News
CNBC
Trading Economics
Investing.com
Reuters

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